FRISKELION

漫画の感想を淡々と書き続けるブログ。みつどもえの個別記事も余裕ができ次第、更新します。


カテゴリ: 10巻以下で完結(★付&読了作品)

訳あり運転手が集まる”(株)ゴミ山タクシー”に”ヒメ”がやってきた!
タクシー運転手・矢野陽芽が、様々な事情を抱える乗客の悩みを解決…
というか、いろいろ話したり、気を遣ったりして、何かが変わる。そんな話。

しかし事情を抱えているのはヒメも同じで。
父親の事業失敗により大学を中退後、A級ライセンスのプロレーサーとして
世界で活躍するも、結婚を機に引退。その後、2人の子宝に恵まれたが、
実業家の夫が殺人事件を起こして服役…そして今に至る。
事前情報無しで読んでいたので、訳ありシングルマザー設定には驚いた。

明るさ、物腰の柔らかさ、女性らしい気遣いで、お客の心を掴むヒメ。
そして贔屓だ未熟だと文句を言う同僚のおっさん連中も実はメロメロで、
ヒメのいない居酒屋でもヒメの話ばかり、という雰囲気がおもしろい。
特に「ヴァレンタイン・ロード」でおっさんが力を合わせて
側溝にハマったヒメを助ける場面は熱い。

「透析・ロード」では「ナマステー ゴミステー」という子どもの保育園で
流行っているギャグを連発するヒメ。かわいい。
特に意味はない言葉で、ざっくり「良いようになれ〜」と解釈した。
横暴なワンマン社長っぽい猪又だが、浮気をしていると思っていた若い妻と、
東京のコンビニチェーンで働く裏切り息子が、実は猪又のいない会社を
なんとか盛り上げようとしていたり、客目線で自分のスーパーに見て
管理の悪さに激怒して奮起するという、ベタな話がとても良い。

社長といえば社員から散々な言われようの児見山タクシーの社長だが、
会社の評判を考えたり、ヒメのことを気遣ったり、昔は温泉街として
栄えていたこの街の現状を憂いている様子など、普通に良い社長では。

1巻で少しずつヒメが若くしてタクシー運転手をする理由と、
旦那が正当防衛の末に殺人をしたということがわかるのだが…。
予想するだけ損なのでネタバレ。何も解決せずに全2巻で完結する。
話もキャラクターも面白いと思ったけど、そこがちょっと残念。


ヒメタク 2巻 細野不二彦


ヒメタク : 1 (アクションコミックス)
ヒメタク : 1 (アクションコミックス)

漫画誌以外の、専門誌とか広報誌にも意外と漫画は連載している。
本作は読売中高生新聞(毎週金曜日発売)で連載していたらしい。
作者は「からかい上手の高木さん」でお馴染みの山本崇一朗。
第1巻である「春・夏」とは作中の時間軸。収録も半年弱24週分。

淡い色彩の表紙からもなんとなく作品の雰囲気が伝わるように、
ミナ、ユカリ、サナエという花の中1三人娘の日常を描く、よくあるアレ。
思春期少女の機微を描く面もなくはないけど…違う気が。基本は薄味コメディ。
内容に加え、太い線と丸い絵柄、トーンの少ない背景は見やすいて良い。
舞台が自転車やバスが必須で田舎風なのも好評なのだろう。ノスタルジー的な。
それだけに初期の背景の寂しさは少し気になるが。

しかし本作の実態は、太眉前短髪横後長髪で毛量が半端ない天真爛漫娘という
過剰スペックなミナを、みんなで愛でる漫画。ミナにどこか既視感。
おジャ魔女ナイショのももこ。無関係な作品と結びつけるのはよくない。
どのタイミングで後ろ髪のゴムを外すんだろうとワクワクしていたら、
「髪くくり」で初めから外しているという。あっさりと切り札を。
表情が豊かな、特に大きく口を開けて上の歯が見えている姿がとても良い。

やる気なさそうな(主に目つき)サナエだが、走ることがミナの次に大好き。
ゲッサン収録の「歩いて下校」は本編と同じ空気のようで、サナエからミナへ、
ストレートに愛を伝える男気告白。いや、愛にもいろいろあるけど。
まぁ、どっかの高木さんも隣の席の人の反応を見たくて、構って欲しくて、
あれこれちょっかいを出しているから、そういうことなのだろう。

特技がけん玉なツッコミ担当でメガネ以外の特徴がないユカリだが、
「台風」では窓に張り付いたビニール袋に、翻弄される様子がおもしろかった。
一応普通の恋バナとかしたいキャラになっているけど、この空間では浮く。
真面目ツッコミキャラの宿命か。そして他に友達いなさそう。南無。
ふだつきキョーコの5巻を読んでいるなんて、マニアックな中1だな。

この手のジャンルでは鉄板な気がする目玉焼きやブラックコーヒーのネタ。
たまご焼き=砂糖、というのはこれもまた誤解を生む元である。
「歩いて下校」を読むと、コーヒーとポカリの交換も間接キスでパヤパヤ。

「肝試し」では例のトンネルが登場。
ああ、この作者の漫画は別作品も読んでるともっと楽しめる…ではなく、
読んでないと少しもったいないっぽい。ふだつきキョーコは未読。
で、ミナのいとこのお姉ちゃんっぽい人はふだつきキョーコにいる?
ソチラを読んでるならどうぞコチラも、と言ったところか。
トンネルの穴も伏線の予定だったのかと、余計なことを考えてしまう。


あしたは土曜日 秋・冬 山本崇一朗
恋に恋するユカリちゃん 1巻 寿々ゆうま・山本崇一朗


あしたは土曜日 春・夏 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
あしたは土曜日 春・夏 (ゲッサン少年サンデーコミックス)

新米旅行添乗員・大沢ちえりが一流のツアーコンダクターになるため、
持ち前の明るさとかガッツとかでいろいろな困難を乗り越える作品。
作者は多くの作品を世に送り出している細野不二彦。

旅行嫌いの自分からすると、ツアコンなんて想像するだけでも恐ろしい。
漫画内では座席の割り振り、予約の再確認、チップ、ストライキ、etc...
頭も体も使う面白そうな仕事ではあるが、「ツアーハンター お龍」で、
軽率な判断で騙されるちえりを見ていると胃が痛くなってくる。
日向みたいな頼れる先輩が常にいればいいが。

ありきたりな言葉だけど、失敗しながらも表情豊かに頑張るちえりの姿は、
見ていて気持ちが良い。「幻想のダージ・マハル」での熱い言葉には
グッと来るものがある。基本的に1話完結というもの非常に読みやすい。
この漫画の感想を書くなら、自分の旅行のこだわりとか、
現在の旅行事情や世界情勢との違いに触れると実のある内容になるけど、
旅行嫌いなのでそこらへんについては何も書けない。

「チップの達人」を読むと、チップテーマに余裕で1冊かけそう。
チップに千代紙の折り鶴を添える話をここで目にするとは…。
「折り鶴」がチップの真髄ではないことだけは注意が必要。
コンシェルジュの説明がちらっと掲載。藤栄道彦の作品はまた別の話。

ツアコンがテーマの漫画はかなり珍しいと思う。
個人的には(もちろんごく一部だけど)描いてる本人も理解しているのか
あやしいファンタジーや、わけのわからないグルメ漫画風の漫画よりも
いろいろなお仕事についての漫画がもっともっと増えて欲しい…。

ちなみに主人公・ちえりはギャラリーフェイクにも出てくる。
自分は先に本作を読んでいたので、一人前になったちえりにちょっと感動した。


りざべーしょんプリーズ 2巻 細野不二彦


りざべーしょん プリーズ(1) (ビッグコミックス)
りざべーしょん プリーズ(1) (ビッグコミックス)

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