FRISKELION

漫画の感想を淡々と書き続けるブログ。みつどもえの個別記事も余裕ができ次第、更新します。


カテゴリ: 10巻以下で完結

みつどもえとイカ娘が新時代を築いていた頃の週刊少年チャンピオン読者には
あの「たまたまポンチー」でお馴染みの山本康人による競泳漫画の第1巻。
初っ端の全裸で空を飛ぶイメージ、別作品の読者はよくご存知だろうが、
とんでもない展開になることもあるので…さぁ、この漫画はどうなるのでしょう?

主人公・青山飛男、「水の中で高2の夏を制覇」を目指す熱血高校生。
とにかくキツくて能力のピークも早い競泳。(近年は多少伸びたようだが)
フォームや肉体改造で急成長することもあるだろうけど、
道具を使った競技や団体競技よりも、さらに10代の実績が物を言うイメージは強い。
「地球暴泳軍」に笑った。水泳バカ、水オタクという言葉が似合う。
弟は弟なりに本当に応援しているし、ある程度は尊敬してそう。
ヒロイン・内田千夏。この作者だと、千夏が酷い目に遭うのかと不安になる…。
それとも母親サッちゃんが?まぁ、ネタバレするとこの心配は御無用。

ビート板で泳ぐ男・赤土。タイトルのSEKIDOは赤土のことか。
夜のプールで千夏が目撃をした限り、圧倒的実力者。
第二の主人公ではあるが、あくまでもメインは飛男と思われる。
筋骨隆々、無口無表情。本当に一切話さない異様なキャラクター。
飛男以上に完成された肉体を持つ赤土。なかなかおもしろいトリッキーな構成。

水泳の情熱が一切ない、元日本記録保持者の新コーチ宇田川はとにかく粗暴
千夏の今後を賭けた黒光学園との伝統の対抗戦。柿沼のいかにもなキャラが良い。
決勝は飛男、そのタイムを上回る柿沼の一騎打ち、かと思いきや…。
今のところ、千夏がめっちゃ良い味を出している。
水泳バカの飛男、得体の知れない赤土には出せないとは違う存在感、間のとり方。
競泳の描写がすごい。さすがは山本康人。絵もクセが薄めで読みやすい。
下品な場面もあったが、これ、当時の週チャンで連載してたら大人気になったのでは。
ああ、どうして…。たぶんウタダでもそこそこいけた。むしろ絶賛する層がいただろう。


SEKIDO 愛蔵版 2巻 山本康人


大ヒットゲーム…それでも主題歌の方が有名な…サクラ大戦のコミカライズの第1巻。
wikiによると2002年6月に連載開始、2021年6月に描き下ろしで完結巻が発売。
原作ゲームは先日まで未経験。久しぶりにPSかPS2のゲームをやろうとしていたら、
たまたまVitaでPSP版1・2がプレイできることを知って、1のクリア後に漫画版を購入。

さくらの完成されたデザイン。やきもちジト目はベタだが超かわいい。
海軍士官学校首席・大神一郎の勇姿。スーパーハイパーウルトラエリートですやん。
覗きに定評のある大神なのに、本人のお風呂シーンは笑うでしょ。
そんな大神の配属先は大帝国劇場、仕事は帝国歌劇団のモギリ。左遷。
さくらとアイリス以外のアタリがキツい。すぐに団員と恋人になる大神。
漫画を読んでいて、ゲーム内で託されたファンレタアを渡していないことを思い出す。
ギャング団が誰だかわからない。後作や歌謡ショウの設定も汲んでいる。

さくらとアイリス目当てに舞台を観る大神。すみれと仲良くできる人はいるのだろうか。
本人が認めた人なら云々だろうけど、さすがにそれまでのアタリがきつすぎる。
偶然エンカウントした怪物と対峙する大神。自覚のない霊力が溢れる。
突如登場した正体不明の人型蒸気が怪物を退けて一件落着。
帝都を守るために何もできない大神は、現状に納得がいかず米田支配人に噛み付く。
独力で現状を打開しようと考えるが…ラストで紅蘭、あやめ、カンナが顔見せ。
藤島康介タッチとはまたちょっと違う気もするが、スッキリしていて読みやすい。
巻末に横山智佐氏のコメント、広井王子氏の小話があるのも良い。



鬼才・木々津克久による表紙詐欺漫画の第1巻。

BRAINS。純粋なふらんの善意が、悪意のある依頼主を切り裂く(物理)。
外科のそれっぽい知識がおもしろい。この作品をわかりやすく示す初回。
CHRYSALIS。ハッピーエンド…にはならないんか〜い。ふらんが恋愛を語ってる…。
当作の魅力はヘレンespとは対極のエログロにもあるのだろう。
無意味なグロは好きではないけど展開的に意味のあるグロだから納得がいく。
TAKE TO PIECES。女刑事・久宝るみ子…この先の数奇な運命を思うと泣けてくる。
COSMETIC SURGERY。これはイイ話。期待通りの自己責任オチも含めて。

GOD&DOG。天使博士登場!あまり理解できてないけどすげー漫画だと心底思った。
UNHAPPY BIRTHDAY。人肉からのイイ話…ではない。チャンピオンREDの中でも異端?
HOLD ME TIGHT。メディカルサイエンスホラーの真骨頂。生首フェチが増えてしまう〜。
トマックが2001年なのでアチラのほうがだいぶ前。ふらんのシャワーシーンで癒やされろ。
MOVIE STAR。自分の映画出演と勘違いしてヘラヘラするふらんがかわいい。
自分がどうこうでなく、博士をネタにしているにブチ切れたのだろう。

禍談。「だれ?」の謎の元祖ジョギリ屋美少女は読み切り作れそうだが。
REVIEW。浦安みたいに作者の作品評があるのは楽しい。


時計職人の日常を描く漫画の第1巻。時計で思いつくのが王様の仕立て屋、
ギャラリーフェイク、こち亀あたりで、それ専門というのは珍しい。

街で時計店を営む冠綾子のもとには、毎日様々なお客が訪れて…。
持ち主の歴史と共に時を刻む、メンテナンスすれば長く使える、
このあたりの特性からグッと来たり、しんみりいい話を扱いやすい。
おそらく作者はイラスト出身だろう。絵も雰囲気が出ている。
セリフのないコマが多く、間…時(とき)を意識している感じも。

女学生に興味津々の冠さん。あら〜。妙に距離感の近い雪枝、
冠さんの師匠であるミステリアスな美女・一ノ倉瀬名。あらあら〜。
一瞬、女児に手をふることが冠さんの休憩なのかと思った…。
複雑な機構、部品の仕組みの小話が挟まれる。
時計の知識が色々とあって面白い。すぐに忘れるけど…。
肌色が少ない漫画なのに、おまけの唐突なシャワーシーンで笑った。
たまに冠さんと古島寧々を見間違えるのはご愛嬌。




冠さんの時計工房 1 (少年チャンピオン・コミックス エクストラ)

良質な睡眠を追求する貧乳娘が主人公の睡眠コメディ第1巻。

学校ではテンプレ通りのお嬢様言葉を操る才色兼備な西城ルネ。
家ではカーテンで仕切られた部屋でニート兄とわちゃわちゃしながら、
エボる(大胸筋の覚醒)ために睡眠を大切にする眠人-みんと-ルネ。
学校でも家でもキャラが立っていてかわいい。油断したときの顔芸が良い。
なんだかんだ妹を心配している兄がイケメンニート。
船木とかいうヤンデレが突如襲来。めっちゃ浮いてる。

秦との会話で「ボンレス」と呼ばれていた過去が明らかになるが、
「なりたい自分を迎えに行ってあげないと、死ぬまでそのままなんだよ」
という名言を語り始めた彼女の瞳に、芯の強さを感じた。
ルネの記憶に刻まれる同級生の女子がヤバすぎる。ここだけ異様に重い。
不断の努力で高校デビューも、胸の脂肪も消滅したままということらしい。
「ブヒョヒョ」という笑い方が気持ち悪くて超かわいい。
しかし兄に対する罵詈雑言を見るに、ルネ自身もなかなかの畜生である。

昼寝の前にカフェインを飲んでスッキリ目覚めるというのは
なるほどと思いつつも、機を逃すとしんどそう。
水泳最強説。ほとんどのスポーツ漫画でトレーニングとして
取り上げられるし、ダイエット漫画、睡眠漫画でもおなじみ。
秦とギスギスする回は、知識を詰め込みながら最後は睡眠でリセット
というこの漫画ならではの展開。テーマの勝利。

女の子二人が寝る前に〇〇する話のように、睡眠コメディはおもしろい。
たまに読み返すと、なにか発見(思い出し)があるかもしれない。


ねるじょし 2巻 酉川宇宙



ねるじょし 1巻 (芳文社コミックス)

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