FRISKELION

漫画の感想を淡々と書き続けるブログ。みつどもえの個別記事も余裕ができ次第、更新します。


カテゴリ:漫画感想 > ★★☆(1巻のみ記載)

少女のために、男たちは体を張る!王道ロリコンギャグの第1巻。
タイトルが直球過ぎるのでGoogleのサジェストに出てこない。
よってサジェスト汚染の心配もない。攻撃は最大の防御。

全国のロリコンが選んだベスト・オブ・少女の渡辺未亜。
第1話からドジ、無垢、パンチラ、抱き込み、泣き顔、ジト目、お辞儀…
理想の少女のマスターピースがここにある。いきなり屈強なロリコンに
絡まれても、的確につっこむ度胸の良さも兼ね備えている。あとすごく優しい。
しかしこの漫画は未亜を愛でる漫画ではない。主人公・ゴクラクチョウさんこと
未亜に狙うフェニックスと、未亜を狙う変態たちの熱き闘いの記録である!
「ロリギャグ」ではなく「ロリコンギャグ」なので、ロリは副次的なもの。

BL団(ブラックロリータ)という強烈すぎる悪役によって、バカ漫画としての
確固たる地位を築いている。フェニックスと総帥カイザーの対決では、
部屋の天井に貼られた未亜の写真で復活するフェニックスと、それに対して
律儀にツッコミを入れるカイザーに大笑いした。めっちゃ楽しそう。
BL団の面々がフェニックスを凌駕する変態なので、相対的にフェニックスが
正義の男に見えてきて、無駄に熱いセリフも相まってなかなか燃える。
銭湯回のように、全力のしょうもない技で暴れまわるギャグがクレイジー。
そして合間合間にえろひどい目に遭う未亜。この奇妙なバランスが癖になる。
まったく関係ないけど、突然バトルプログラマーシラセを思い出した。

なんだかフェニックスとBL団がバカすぎて見落としがちだが、
屈強な変態たちに胸を触られたり、押し倒されたり、股間を押し付けられたり、
未亜がかわいそうかわいい。フェニックスを付き合う健気さが良い。
自分が触ったカナブンを投げつけてフェニックスにパワーを注入するあたり、
彼らの扱い方はもう理解しているようだが…優しい子で本当に良かった。
未亜だけでなく、自称・男の子の葵くんも忘れてはいけない。
葵くんの性別は一応続編のラストで明らかになるので、ここでは明言しない。

画力は、特に初期が素人目から見ても粗いが、作者の情熱やギャグの勢い、
そして成長過程にある少女の不安定さを表現できているのでこれで良い。
でもポップな表紙は若干の表紙詐欺感…ゴクラクチョウのマスコットいないし。
モンロー作戦で排水溝に忍び込むネタがあるが、現実でも似た事件があったな。


ロリコンフェニックス 2巻 松林悟


ロリコンフェニックス(1) (ドラゴンコミックスエイジ)
ロリコンフェニックス(1) (ドラゴンコミックスエイジ)

題名だけ見ると、どこかダークな雰囲気の熱いロボットアニメっぽい。
だがその実態は、どこかダークな雰囲気の熱い株マンガである。
Kindle版が1巻1円、2巻2円…と15巻まで大幅値引き中。(セール期間は未確認)
主人公が中学1年生の少年ということもあり、政治経済や屁理屈を交えつつも、
基本的には少年漫画っぽい作りになっている。(モーニング連載だけど)
ちなみに、他の三田漫画のキャラクターも出ているらしい。

自分は典型的な駄目な例で、資産運用にはあまり興味がない人種なので
このマンガの感想も深く株の話に触れるつもりはない。
どちらかと言うと、社会科学と、漫画独特の雰囲気を楽しみたい。
説教臭かったり、成功者の言葉が鼻につくという人もいると思うが、
「自分と一緒の考え方だなぁ」とか「そういう見方もあるのかぁ」程度に
なんとなく受け取れるとちょうどいい温度になるだろう。

札幌の超名門校・道塾学園にトップの成績で入学した財前隆史。
野球部に入るつもりが麻雀部に拉致されたと思ったら、そこは投資部だった。
130年続く伝統として、成績トップの優秀な人間のみがスカウトされる投資部。
この投資部の資産運用こそが、道塾が超名門たるそのすべてだった…。

第1巻ではよくある、株とはなんぞやを説明する話がメイン。
そこに凄腕の神代部長とか何やら過去の因縁が絡む、熱そうな幕開け。
麻雀がやりた過ぎてテンションのあがる財前が子どもっぽい。子どもだけど。
何かと木刀を振り回す渡辺が不気味。往々にして天才とはこうである(偏見
モノローグでアレコレ考えたり、無駄にオーバーなリアクションが
さすがの三田紀房っぽい。砂の栄冠しか読んでいないけど。

昼休みは貴重な投資の時間なので、学食を利用できないというのは
さすがによく隠し通せるなと思う。合唱コンの練習もできないよ><
まぁ、男子校だから「ちょっと男子〜」という例のイベントもないのか。
スマホ向けゲームを展開するゲーキチ株で、いきなり高利益を叩き出す財前。
さっさと売れと言う先輩と、持ち続けたい財前。そこで神代が一言。
「株は法則でやれ」
株に興味はないが、なかなか気になる言葉。続きは次の巻。

ちなみにタイトルの「インベスターZ」はロボット名前ではなく、
投資家(Investor)財前(Zaizen)の略。


インベスターZ 2巻 三田紀房


インベスターZ(1)
インベスターZ(1)

訳あり運転手が集まる”(株)ゴミ山タクシー”に”ヒメ”がやってきた!
タクシー運転手・矢野陽芽が、様々な事情を抱える乗客の悩みを解決…
というか、いろいろ話したり、気を遣ったりして、何かが変わる。そんな話。

しかし事情を抱えているのはヒメも同じで。
父親の事業失敗により大学を中退後、A級ライセンスのプロレーサーとして
世界で活躍するも、結婚を機に引退。その後、2人の子宝に恵まれたが、
実業家の夫が殺人事件を起こして服役…そして今に至る。
事前情報無しで読んでいたので、訳ありシングルマザー設定には驚いた。

明るさ、物腰の柔らかさ、女性らしい気遣いで、お客の心を掴むヒメ。
そして贔屓だ未熟だと文句を言う同僚のおっさん連中も実はメロメロで、
ヒメのいない居酒屋でもヒメの話ばかり、という雰囲気がおもしろい。
特に「ヴァレンタイン・ロード」でおっさんが力を合わせて
側溝にハマったヒメを助ける場面は熱い。

「透析・ロード」では「ナマステー ゴミステー」という子どもの保育園で
流行っているギャグを連発するヒメ。かわいい。
特に意味はない言葉で、ざっくり「良いようになれ〜」と解釈した。
横暴なワンマン社長っぽい猪又だが、浮気をしていると思っていた若い妻と、
東京のコンビニチェーンで働く裏切り息子が、実は猪又のいない会社を
なんとか盛り上げようとしていたり、客目線で自分のスーパーに見て
管理の悪さに激怒して奮起するという、ベタな話がとても良い。

社長といえば社員から散々な言われようの児見山タクシーの社長だが、
会社の評判を考えたり、ヒメのことを気遣ったり、昔は温泉街として
栄えていたこの街の現状を憂いている様子など、普通に良い社長では。

1巻で少しずつヒメが若くしてタクシー運転手をする理由と、
旦那が正当防衛の末に殺人をしたということがわかるのだが…。
予想するだけ損なのでネタバレ。何も解決せずに全2巻で完結する。
話もキャラクターも面白いと思ったけど、そこがちょっと残念。


ヒメタク 2巻 細野不二彦


ヒメタク : 1 (アクションコミックス)
ヒメタク : 1 (アクションコミックス)

大原ことねのバスト、太もも、腰回り、指先、髪…すべてがあざとい第1巻。
いくら巨乳でもさすがに強調されすぎな制服デザインの不思議。
しかしこれは漫画空間では至極自然である。そういうオーダーメイド。

シンプルな線とゆるい会話からをベースに、アグレッシブな下ネタ、
王道のラッキースケベ、勢いだけのギャグ、シュールなやり取り、
となんでもありな感じで、お約束の数々が逆に新しい。
要所でキャラや背景を描き込んだり、角度をつけてキャラクターを描く
お得意の構図が読んでいて楽しい。漫画って素晴らしい。

卑猥委員の高浜麗子は「男子から見たら充分卑猥」のセリフだけで
妄想が止まらないな。不潔。彼女と二宮鈴はクラスで浮いてそう。
ほんまもんの変態紳士こと五領大祐は言うまでもなく…。
巨乳を目の前に巨乳派と言い切れるハートの強さは主人公の鏡。
でもトータルでは悲惨すぎて、まったくうらやましくない不思議。

えんがちょ神田千晶は貧乳っぽく描かれているけど、たぶん並乳。
トランス状態研究家に変貌したことねのベタな感じは良い。
松子のふしぎ、気合のふしぎは鈴と千晶の見せ場を出しつつ、
笑いもしっかり取れていて良かった。ことね一強ではあるが、
千晶はキャラクター的に動かしやすいし、鈴は無乳だから強い。

ところでこの部活、去年までどうやって存在していたのか。
卒業生が2名はいると思われる。双子のふしぎ、とかどうだろう。
テコ入れでOGが出るときに明らかになる。
多重人格のふしぎとか、退部した男子生徒とかもありか。
今に始まった話ではないけど、タイトルのスペースが空くことに、
どうしても違和感がある。アオリ含め、入れたほうが良くない?


あつまれ!ふしぎ研究部 2巻 安部真弘


あつまれ!ふしぎ研究部 1 (少年チャンピオン・コミックス)
あつまれ!ふしぎ研究部 1 (少年チャンピオン・コミックス)

不甲斐ない母親の代わりに、女子小学生が居酒屋を切り盛りする話。
表紙がすべて。泣ける。うそ、笑える。4コマ漫画ですので。

父親が残した小料理屋「みづは」を切り盛りする有坂千夏(10)と、
母親・おかみ・常連客の三役を一人でやってのける有坂三葉(29)、
そして「みづは」に集まる人々の交流をおもしろおかしく絵描く系。
読み返すと、結構絵柄が変わっていて驚いた。みつばが野暮ったい。

初っ端から「日直だから」という理由で注文をストップさせるちぃちゃん。
年端もいかない少女に夜の仕事させるなんで、とんでもない漫画だぜ…。
ちぃちゃんが料理のスペシャリストということは学校でも周知の事実。
バレンタインでは友人らに依頼されたチョコ作りに大忙しだが、
男子も誰が作ったものかしっかり理解できていてのが、なんだかおもしろい。

夏休みの行動計画の5/6が「おみせのてつだい」になっているのはヤバい。
でも最終日は宿題をやるために休業してるから問題なし。
友達のクリスマス会の誘いをすべて断っているのもヤバい。
でもお店の客と楽しくやっているので問題なし。
…何かの拍子に非行に走りそうで怖い。そういうスリルもある。ない。
髪を下ろすと誰だかまったくわからない美少女に変身する点も良い。

みつばはギャグでなければ許されないレベルでアレ。
でも4コマだからセーフ。ちぃちゃんが楽しそうだからセーフ。
そして何より、みづはの味見担当として戦力なのでセーフ。
大井昌和作品らしく、かなりグラマームチムチ体型っぽい。
読者サービスもないことはないが…4コマだとちょっと難しい。

仕事は基本的に酒を飲んでるか、寝てるか、ちぃちゃんに怒られているか。
あとはちぃちゃんにつまみ食いを咎められたり、お酒について注意されたり…。
さすがにあんまりすぎるせいか、ちょいちょい親らしい面も見せている。
最後の短編みたいな、父親がいた頃のベタな話はアカン。涙で前が見えへん。
たまに出て来る謎の再婚意欲は冗談というのがよくわかる。

ショートストーリー仕立ての「繁盛期」は酒とか飯で盛り上がる話なので、
好きな人はそちらもオススメ。お酒がまったく飲めない自分も楽しめている。


ちぃちゃんのおしながき 繁盛記 1巻 大井昌和


ちぃちゃんのおしながき 1 (バンブー・コミックス)
ちぃちゃんのおしながき 1 (バンブー・コミックス)

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