FRISKELION

漫画の感想を淡々と書き続けるブログ。みつどもえの個別記事も余裕ができ次第、更新します。


カテゴリ:漫画感想 > ★★☆(1巻のみ記載)

平成学園中等部の体操部に入部した藤巻駿。そこは曲者の先輩揃いで…。
ド素人の藤巻が持ち前のガッツと明るさで中学、高校、大学と才能を開花させ、
全日本代表として活躍する体操漫画の王道。この道しか知らないけど。
スポーツの世界大会のたびに、漫画を読みたくなる。体操の場合はコレ。

第1話から藤巻が団体戦に駆り出されるというスピード感。
初心者が身をもってルールを教えてくれる。藤巻のメンタルが凄い。
憧れの女子ポジションとして折笠麗子も登場。藤巻に微笑みかけたり、
ボディータッチをしたり。初期の絵柄だと少しくどいけど、色っぽい。
先輩風を吹かせる内田、嫌味の塊の影山など、無難な少年漫画展開。
サッカーに恨みがあるのかというくらいボールを使った嫌がらせ。

後半は「倒立」についてじっくり描く。藤巻の柔軟性、バネの良さが
少しずつ明らかになる。折笠・内田の協力を得て技術的なことや
仲間との衝突を混じえつつ、倒立だけでこんなに話が書けるのは驚きだ。
自分は倒立ができないので、小学生の時にこのやり方を知っていれば、と思う。
今からでは…やる場所も勇気もちょっとない。それも本人のやるき次第だけど。
真田と東の見せ場は特になし。先輩3人の素晴らしさも是非注目して欲しい。

体操人気を憂いた森末慎二が企画して1994年から始まったこの作品。
内村航平などのメダリストも愛読していることは有名。
もちろん、この漫画がなくても名選手は数多く生まれていただろう。
だけど今の体操界をつくったピースであることは間違いないと思う。


ガンバ!Fly high 2巻 森末慎二・菊田洋之


ガンバ! Fly high(1) ガンバ! Fly high (少年サンデーコミックス)
ガンバ! Fly high(1) ガンバ! Fly high (少年サンデーコミックス)

やる気が無いことで有名な野中英次による不良系シュールギャグ漫画。
残念ながら野中作品は本作とだぶるじぇい(原作)以外は未読なので、
真骨頂であるスターシステムという名の使い回しを楽しむことができない。
課長バカ一代とドリーム職人のkindle版を…いや、それより新作を…。

表紙をめくると早速、本筋と無関係な野球ネタや、校舎破壊について書かれた
クロマティ高校沿革。水原茂っぽい人から歴史が始まっているのは笑う。
本編は不良とは無縁の神山高志による「前略オフクロ様」の口上で始まるも…。
最初期の神山は周囲にビビっていたり、更生させるという志があったんだなぁ。
表紙の意気込む神山が、まさか一番どうかしていたというのは、まだ先の話。
パシリを効率よく行うために売店を始める時点で、なかなかどうかしていた。

「二つ名がない」という理由でボロクソに言われる前田に笑う。
まさかここで彼の運命が決まっていたとは。良いツッコミ役だと思う。
一方で林田も初期から鋭いことを言ったと思えば、意味不明なことを
自信満々で言ったりして、ぶれない男だ。話のキッカケや転がし役に最適。
ダブリの平井さんは比較的常識人だったけど、クロ高で留年という以外は
普通すぎて面白くない。たぶん進級時にまた留年したと思う。南無。

フレディや竹野内が出始めてからが本番。バース高校に行くために乗った
タクシーで道に迷うというくだらないネタを何ページも描く…大好き!
北斗の子分の「君の名は。」(←面白いこと言ったつもり)も1巻から炸裂。
全巻読んでから読み返すと、散々こすっていたのに消えたキャラクターや
やたらと喋るメカ沢に笑う。まさか野中英次は、ここまで計算して…ない。

ネタがシュール過ぎたり、ゴリ押しだったり、使い回しだったりするけど、
絵はネタに合ってるし、丁寧だと思う。絵のコピペも有り。微妙に違うの有り。
そう言わしめてしまうほど、漫画家・野中英次はすごい。言い過ぎ?



魁!!クロマティ高校(1) (週刊少年マガジンコミックス)
魁!!クロマティ高校(1) (週刊少年マガジンコミックス)

小林さんちに人間の姿をしたドラゴンのメイドがいる漫画。
ファンタジーは普段あまり読まないけど、コメディならいけるのでは。
と、漫画の幅を広げるためにも読む。(アニメは興味ないので知らない)

トールの真の姿が想像以上にほんまもんのドラゴンだった。
しれっと神話的なエピソードも入るけど、詳細な説明は入らないので
そこら辺に疎い自分は、気になるなら調べるしかない。知識の広がる感じが
心地よいので、たまにはそれも良い。手間だしすぐに忘れるけど。
自信満々で間違ったこと言う姿がかわいい。実力からくる自信過剰?
基本的に小林超好き好き愛してるなトールを見てニヨニヨする漫画。

自称底辺SEの小林。スキル的には有能で、会社もスケジュール管理は
ダメダメかもしれないけど、給料や仕事内容自体はまともらしい。
豊満なドラゴンの一方で、たまに完全に無いことにされる貧相な体は、
大変なコンプレックスだろう。男性と間違えられているし。
髪を下ろして私服や寝間着になるとかわいらしい。誰だかわからないけど。
基本的にトールの存在が徐々に大きくなる小林を見てニヨニヨする漫画。

どう見てもRPGの悪いドラゴン役にしか見えないトール。
聖剣が刺さるのか刺さらないのかハッキリしないが、人間目線で悪役。
ファフニールとルコアも自分の世界とは一線を引いた世捨てドラゴンで、
ドラゴンの世界では異端なのだろう。あっちの人間とこっちの人間は
結構違いがあるようだけど、世捨て人に片足突っ込んでいた小林は、
同じく少し異端な存在かもしれない。小林と仲良しな滝谷もユニーク。
ロリ枠のカンナカムイも、優しい言葉をかけた小林に懐く。
賢い面もありつつ、基本は女児なので、あざとかわいい。

それにしても日本の商店街にメイドはよく馴染む。漫画界の常識である。
あと読者はメイドや執事にどんどん詳しくなる。これもまた常識。


小林さんちのメイドラゴン カンナの日常 1巻 クール教信者・木村光博


小林さんちのメイドラゴン : 1 (アクションコミックス)
小林さんちのメイドラゴン : 1 (アクションコミックス)

凄腕サービスマンの家山電(いえやまあかり)と脳筋刑事・小野寺アンヌの
凸凹コンビによる家電ミステリー。虫だけでなく、家電にも詳しいとは。
攻めた題材と思ったけど、いわゆるIoT家電や注意満載の説明書を想像すると
確かにネタになりそう。古い家電なら人情噺を絡めることもできる。
ちなみに探偵という肩書の人は出てこない。家電を調べる人、的な意味合いか。

マーシャルアーツの達人・アンヌは、今日もライダースーツで大暴れ。
「世の中の悪い奴を1人残らずぶん殴れば平和になる」という発想や、
仕事で荒れた手を見て悪人ではないと判断するなど、素直で直情的。
スタイルの良さを誉められて照れる様子は、あざといかわいい。
一方で電は家電と美少女フィギュアを愛するクールなエンジニア。
「家電は嘘をつきません」を口癖に、家電から客観的に真実を見抜く。
筋肉と頭脳。なんというベタなコンビ…だがそれがいい。

初っ端で若いメイドが出てくるあたり、一昔前のチャンピオンっぽい。(偏見)
ブロッケン現象やハッカ油のメントールとか、微妙に家電から外れているけど
家電を絡めたサイエンスや、夏の節電、メンテナンスなどなど、ネタは幅広い。
保守修理を担うサービスマンなら、いつどこにいてもおかしくないというのは
自然で便利。サービスマンのネットワークを利用した情報収集が凄まじい。

日常がサービスシーンであるアンヌのおっぱいもあらわになるが、
ありがたみはやや少ない。ライダースーツの状態で乳首が浮き出てるし。
乳首も筋肉でできていると思えば納得できる…納得したくないなぁ。
ベクターでもあった「ソープで稼げ」ネタも健在。あと緊縛。
胸を揉んだストーカーをボコボコにするためだけにアンヌが登場したり、
ナックルちゃんの必殺技が後ろ回し蹴りなのは、なんだか笑える。

いつも骨折している先輩とか、いちいちルー語の管理職とか、脇役もユニーク。
家電メーカーが協力してくれれば、今からでも深夜ドラマ化しそうな印象。



家電探偵は静かに嗤う。 1 (チャンピオンREDコミックス)
家電探偵は静かに嗤う。 1 (チャンピオンREDコミックス)

あの土塚理弘が、まさかのホームコメディ。

いきなり山の神をいじめるネタで笑った。ホームコメディとは。
そして舞台設定が1980年台であることを猛烈アピール。
かと思えば親子の休日で山の神をないがしろにする天丼。泣ける。
ああ、これは最終回で唐突に30年後に時が進んで、りっくんとその子どもが
また山の神をいじめるパターンですね。間違いない。歴史は繰り返す。

りっくんが幼き日の妹・くうにタワーブリッジを仕掛けてるコマに笑う。
しかし今は肉体的にも精神的にも妹に負ける兄。泣ける。泣きすぎ。
くうのお下がりを着る危機のくだりは、意味がわからなくて面白い。
たぶんそれは、うなが着るのでは…と真面目に考えてしまった。
幸いにも、第二の妹・うなは…やっぱりバカにしている。頑張れお兄ちゃん。
いちいち食に拘るりっくんが面白い。ピーマンを食べられるりっくんは、
妹よりも優れた兄。次は秋刀魚のワタを食べて尊敬の眼差しを頂戴しよう。
なぜ「りく→くう→うみ」ではなく「うな」なのか。おおうなばら?

りっくんのお母さんが超美人。なぜ表紙にしなかった。
バスタオル姿のお母さんが、Hになればなるほど固くなるアレが飛び出す様子に
興奮するサービスシーンも。そして朝帰り。どうした土塚理弘!物は言いよう。
家族みんな、気に入らないことがあると表情に出すが笑える。口にも出す。
2人目の妹が生まれたときの「どうかしてるぜ!」はヤバい。楽しそう。
「お父さん、お母さん、りっくん、くう、うなの5人家族」とあるので、
弟か妹が生まれたら、りっくんが真ん中ではなくなる。ということは…怖い!
冗談はさておき、物語は下僕となる弟の誕生を願うための「神探し編」へ。

安定の集中線、ギャグのキレ。プレゼン大会のにわとり→子豚→ビーフに笑う。
パンダとの別れまで描ききる勢いはさすが。これが土塚理弘だ。
描き下ろしは普通に1本描かず、くう、うなのサービスカットでもええんやで。
土曜日あるあるをりっくん目線ではなく、お母さん目線で描く。
今の小学校は8月末から新学期だったり、またいろいろ変わるんだろうな。
あとがきではマテリアル・パズル第4章の連載について触れている。何年越し。


まんなかのりっくん 2巻 土塚理弘


まんなかのりっくん(1) (モーニングコミックス)
まんなかのりっくん(1) (モーニングコミックス)


講談社から電子書籍版清杉が出ていることをりっくん購入時に知る。
1/Nもこれから出るようで。ところでこの表紙は誰芝さん?
清村くんと杉小路くん(3) (モーニングコミックス)
ガンガンでジャンプネタをやりながら、まさか講談社で出るとは。

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